第4回ゲストトーク 安西洋之氏

異文化への苦手意識をどう解消する?

アカデミックに異文化を100%理解しようとしない。ビジネスを前進させるには、この心構えが必要。世界を分かるために人と会いまくるか、モノをみていくか。これら2つのアプローチがあります。

もちろん人と話すのは大事。が、「人はみんな同じ」か「人は全部違う」という結論ではビジネスに使えません。そこで市場でローカライズされたモノをみて、地域で鍵となるロジックを探るのが有効になります。これがローカリゼーションマップ。ターゲット市場の消費者の頭の働きを理解するのが目的です。

今年から、企業の中でレクチャーやワークショップをスタートさせました。具体的なビジネスプランや商品企画を作るサポートをしていきます。

又、この活動は日本国内だけでなく国外でも行います。第一弾として、9月にバンコクのデザイン振興機関でタイ人のビジネスマネージャーやデザイナーを相手に行いましたが、海外進出を図る参加者から好評でした。

いかに頭の中を計画的に「更新」するか?

一番恐れなければいけないのは、頭の中が閉じていることです。どうしても開放させる必要がある。そのためにすることは2つです。意識的に場所と時を移動すること。

生活圏500mの範囲でこれができる人もいますが、愚かなぼくには叶えない課題です。どうしても物理的な距離を移動しないとダメなんですね。それでミラノに住んでいる。やはり刺激が沢山あります。外国人ゆえの特権です。

時の移動は、例えば歴史の本をたまに読むことです。そうすると当たり前と思っている考え方が、すごく古い時代に起源があったり、ほんの数十年前に生まれたものだったりすることに気づきます。

大切なのは、そうやって頭の中の「更新」を計画的にやることです。ぼくの夢は、新しいコンセプトを作ることです。だから拠点としてヨーロッパを選択しました。なぜなら、ヨーロッパは「更新の仕方」に他の地域より成熟しているからです。

気楽に遊びに来てください。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)(ビジネスプランナー)

1958年生まれ。上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。今年は素材ビジネスやローカリゼーションマップの活動に注力。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。サンケイBIZ『安西洋之のローカリゼーションマップ』を連載。

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