第7回ゲストトーク　藤巻幸夫氏

2012年9月26日

熱い想いを現実にする、ぶれない信念

日本は「美」を追求している文化ですよね？　平安・室町・元禄の文化や、浄瑠璃も歌舞伎もあるし、そういったものに基づいた美意識というものを持っています。

欧米の美意識も素晴らしいけど、「日本の洋服の歴史は浅いから」と欧米人に馬鹿にされる筋合いはない！そんなエネルギーが、「メイド・イン・ジャパンのものを創りたい！」という想いに進化し、ブランド「解放区」というカタチとなって実現したんです。ありがたいことに大変ヒットしたブランドとなりました。特にデザイナーにフィーチャーして、さらにそこに同質化したお客様を喜ばせたかった。つまりホスピタリティ。そこから、多くの日本人デザイナーたちと出会いました。そしてそれらも、想像以上にヒットしました。ヒットさせようと思って始めたわけじゃなく、メイド・イン・ジャパンの良さを伝えたいという根幹がぶれていなかったことがよかったんだと思います。

今でも僕は「日本」をキーワードに、人とモノをつなぐことをテーマとして全国を飛び回っています。そして夢は、メイド・イン・ジャパンあるいはプロデュース・バイ・ジャパンのものだけで日本の百貨店を作ることです。

人の長所を見出し、人を引き込む

よく「藤巻さんって顔が広いですね」とか「人を引きつける力がありますね」とか言われます。どうしてそうなったのでしょうか？　それは僕が魅力的だから！ではないんですよ。僕が人一倍、人に興味があるからなだけなんですよ。僕が人を好きになる力が強いから、苦手な相手でも、その人のプラス面とマイナス面をとにかく見ながら、中でもいいところを見抜いて、プラス面を引き出すのが好きなんです。

仕事で僕のところに来る人。その人がどういうことをやりたがっているか。また、僕が知り合った人同士。彼らを紹介したら、そこから面白いことが生まれるだろうか。僕が人に興味を持っているから、いいところを引き出して、複数の人々のいいところをぶつけたら、どんな新しいビジネスができるだろうと、常にワクワクと考えているのです。

僕は、次の世代のあなた方の応援をしたい！　人のために頑張ろうとしている、人を裏切らない、人間力がある人を応援したい！頑張ろうと思っているけど能力がないとか、どうしてもやりたいっていう人には、勇気を与えます。実現したいアイディアがある人は、どんどん質問・相談しにきてください！

※著書は２０以上に及ぶが、最近のものは『10年後を後悔しない君へ』（共著／勁草書房／2012年4月）

開催日時：2012年9月26日

藤巻幸夫（ふじまき・ゆきお）（カリスマバイヤー）

上智大学経済学部経営学科卒業後、伊勢丹に入社。ブランディング、ショッププロデュース等の実績から、カリスマバイヤーとして注目される。伊勢丹では「バーニーズ・ジャパン」、「解放区」、「リ・スタイル」の立ち上げを担当。独立後はアパレル会社等を経て、2003年に福助代表取締役社長に就任し、約1年半で経営再建に成功。2005年にセブン＆アイ生活デザイン研究所代表取締役社長、イトーヨーカ堂取締役執行役員衣料事業部長を兼任しスーパーの衣料改革に取組む。現在はフジマキ・ジャパン副社長、藤巻兄弟社社長、シカタ代表取締役プロデューサー等を兼任。Webサイト「藤巻百貨店」のプロデュースも行っている。

●過去のゲストスピーカー