文明崇拝と文化衰退
現代の日本は、文化をおろそかにして、文明の発展ばかりに注力している。これを合理化と呼んでいるが、果たしてそうか。
経済活動もその一つ。例えば、生きるために収穫・狩猟をするのが本来の姿なのに対し、現在は、金もうけのために収穫・狩猟をしている。作り過ぎ、殺し過ぎ…。これは本当に合理的なのか、日本の文化を壊していることになっていないのか。文明崇拝により文化が失われつつある日本を、見直す時期に来ていると思う。
また例えば、アメリカでは遺伝子組み換えによるサケ“フランケンサーモン”を創っている。文明の観点で見ると素晴らしい技術の発展だと賞賛する人もいるが、果たして手放しで喜んでよいのか。モラルの観点からはどうか。大いに疑問である。
77Fメンバーへ
私が36歳の頃は、ちょうど西武百貨店の宣伝部にいて、キャッチコピー「おいしい生活」が流行った時代。振り返ってみると、やりたいことができる時代だったなと、つくづく思う今日このごろ。偉くなると、色々なしがらみでできなくなることがある。もちろん体力も重要だ。だから今、みなさんには、やりたいことをどんどんやってほしい!
水野誠一(みずの・せいいち)(元参議院議員・株式会社IMA代表)
1946年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。大学卒業後、西武百貨店に入社。1990年、西武百貨店社長に就任し、1994年に退任。その後、参議院議員(1期)、新党さきがけ政策調査会長(第4代)等を務めた。現在は、株式会社IMA 代表、株式会社リプロジェクト・パートナーズ 代表取締役C.E.O.をはじめ、森ビル株式会社 特別顧問、株式会社バルス 社外取締役、オリコン株式会社 社外取締役など、幅広い分野で活躍。